久しぶりですね。イラク株投資家を元気にする記事が英フィナンシャルタイムス紙に掲載されました。著者はFarouk Soussaという方で、シティグループの中東チーフエコノミストです。
記事の見出しはこんな感じでした。
「Iraq: The awakening of an economic giant」
(イラク:目覚めつつある経済大国)
結論からいうと、
イラクはリスクも大きいし、
テロも政治の混乱もまだ収まらないだろうが、
油田入札が昨年から始まっており、
世界4位の原油埋蔵量と3000万人の人口から考えると、
将来、相当豊かな国になる可能性があるというものです。
参考翻訳はこちらをご覧ください。
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イラク:目覚めつつある経済大国
オバマ米大統領は8月31日に、米軍のイラクにおける戦闘行為の終了を宣言しましたが、イラクに関するニュースは現在の政治的混迷と暴力に関するものが大半をしめています。イラクが不安定な国であり、また数年先までそうであり続けることは明らかです。
しかし、もっと明らかなこともあります。それは水面下で進む、経済大国のめざめです。ゆっくりと、しかし確実に30年の眠りから覚めつつある動きです。
経済的な胎動が始まったのは昨年。12箇所の油田開発入札が海外の石油会社にふられたことが注目されます。これにより、開発のされていない油田の産油量は増加に向かうでしょう。
世界で最も大きな産油国になる可能性が現実化します。生産量ではサウジとロシアに匹敵するのです。今日の原油価格をもとに計算すると、イラクの原油収入は年間2800億ドルにまで成長し、子供も女性も含めた一人あたりでは、1万ドルとなります。ちなみに現在の原油収入が年間700億ドルですから、ざっと4倍になる計算です。
原油による富が国にとっていいことばかりもたらすとは限りませんし、近年のイラクの歴史はまさにその実例といえます。しかし、これから吹く追い風は、うまく乗ることが出来れば、イラクを中東でも最も豊かな国に変貌させることが可能です。
実際、私たちの計算では、2020年には、イラクの原油生産はGDPを4倍の規模に拡大させ、3500億ドル以上の準備金をもたらすとみています。サウジ、クウェート、UAEと肩を並べます。現在は世界通貨基金からお金を借りているイラクですが、世界でも最も大きな資金の貸し手となるでしょう。
世界に対する貢献も見逃せません。新たに、安定的に供給してくれる産油国が生まれたことは、輸入国にとっては歓迎すべきこと。国の復興計画は周辺国のゼネコンや関連企業に仕事を与えます。3000万人をこす、豊かな経済の出現は、他の国の企業にとっても見逃せないサイズの市場となります。
しかし、そのゴールにたどりつくまでには、越えるべきハードルがいくつもあります。
まず最初に治安の問題。最近増えているテロについては、原油増産の障害とはなりません。というのは、大規模な油田の多くが、治安の安定した南部にあり、シーア派のエリアにあるからです。しかし、原油をテコに経済を繁栄させるときには、治安回復は絶対条件です。
二つ目は国内の政治問題。現在、検討されている新石油法の内容によっては、石油企業が大きく影響を受ける可能性があります。そして、政治の不安定さ、能力のなさは、オイルセクターの道路や水といったインフラを迅速に整備するためには、重石となるかも知れません。
三つ目は、経済と政治の統治の問題。経済が拡大すれば国民は富の恩恵を受けます。経済方針としては、貧困、とくに都市部以外の貧困の問題、健康、教育に対処しなくてはなりません。汚職も根絶すべきこと。
これまでのところ、戦争で疲弊した国にあって、各地の行政はきわめてよくやっていると思います。会計の透明性に関しても進歩がみられます。ただこれは、IMFの助けがあって出来たことです、イラクがひとり立ちした後でも、うまくできるかは未知数です。
イラクはこうした問題をクリアして、経済的な可能性を十分に開花させることができるでしょうか。わからない部分は小さくありません。しかし、だからこそ、機会も大きいといえるのです。私たちは、新政府が活動を開始し、イラクの経済大国への歩みが始まることを希望しています。
Farouk Soussa氏はCitigroupの中東チーフエコノミストです。





